ラファウ・ブレハッチ、日本公演。
今回の日本ツアーは、2021.10.28のオペラシティ公演へ。
同行者との待ち合わせ1時間位前にオペラシティへ着き、近くのバルでサングリアを飲みながらのんびりしたり。
閑散としたホール前を撮影したり。
こんなに時間に余裕が有るのなら、銀座へ行き楽譜を見てきても良かったかな、など。
実はオペラシティってちょっと苦手なんですよね。座席の感じもロビーの雰囲気も。
この日のプログラムは、
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80
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フランク=バウアー:前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 Op.18
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バッハ、フランク、ショパンソナタを目当てに聴きに行ったのですが、意外にも苦手だったベートーヴェンの32の変奏曲が私の中では一番良かったと思いました。次いでアンコールのショパンワルツ。こちらは何とも形容し難く、恐らくショパンはこう弾いたのだろうなと。前半も後半もとても落ち着いた雰囲気で心地よく、それはきっと、曲の調性が同じだったからなのかもしれません。スッキリ整理整頓された、知的なプログラムでした。
楽しみにしていたフランクは、譜読みをしているところなので勉強も兼ねて。アプローチがとても興味深く、ペダリングも参考に。この曲は、音を拾うだけならそんなに難しくないと思いますが、オルガンの曲ですし、響きや和音のバランスを取るのがとても難しい。願わくばCDで幾度となく聴きたい。因みにヘビロテで聴いているのはルガンスキーのもの。ロシアピアニズムはだいぶ薄れてきていますが、後に名盤と呼ばれるのではないかと思っています。
19時からの公演でしたが、10分位遅れての開演。ピアノリサイタルでは珍しいなぁと思っていたら、ステージに出てきた演奏者本人から遅れた理由とお詫びが。私は真ん中辺りの席だったので聞き取れませんでしたが、ご家族が急病との連絡が直前に入ったとかなんとか。演奏が「焦っていた」とか「乱れた」なんて思われた方も多くいらっしゃったようですが、私は一切感じず。ここまで来られるアーティストの皆さんは、どんなことがあっても、仕事の舞台でメンタルの衰弱を感じさせるようなことは無いのではないかと個人的には思います。
ブレハッチさんは大きいホールではなく、小さいホールで聴いてみたいですね。イメージ的に、大きい音を出す人では無いし、美し過ぎる弱音は小さいホールで音を浴びてみたい。